平清水焼(ひらしみずやき)山形

平清水焼の特徴

・やわらかい印象の白い陶器
・物静かで上品
・有田の染付を目指して生まれた


平清水焼は1844年(江戸時代の後期)に磁器の生産に成功した時から始まりました。以降、お手本とされた有田焼に劣らない名品が生み出されましたが、大正時代には他の産地の安価な製品の人気が高まったため、磁気から陶器の生産が行われるようになりました。

丸山土や日陰土など、地元の陶土を生かして有田や京都のような色絵のやきものを作ろうと、白化粧して呉須(ごす)で絵付けをし、磁器に似せた器がつくられました。磁器にはない柔らかな印象の風合いのものや、飴釉(あめゆう)、黒釉(こくゆう)をかけたものもあります。

現在の平清水焼には、平清水焼本来の特徴が見られず、窯場全体に共通する技法も無くなりました。窯元によって、茶陶、食器、壺、酒器、甕(かめ)などと生産されるものも様々で、釉薬(ゆうやく)も鮮やかな辰砂の赤、端正な青磁、柔らかな印象を与える粉引(こひき)、つや消しの白釉など多様化し、現存する窯元はそれぞれ独自の趣向で器を製作しています。

平清水焼の窯元の中で有名なのは、1804〜1818年に地元の千歳山(ちとせやま)の土を使って平清水で初めて窯を開いた丹羽治左衛門(にわじざえもん)からつながる「青龍窯(せいりゅうがま)」です。

代表とされる「残雪(ざんせつ)」は江戸時代の技法を受け継いだもので、温もりのあるつや消しの白釉により、全体を落ち着いたグレーに仕上げています。1958年にブリュッセル万国博覧会で入賞した「梨青瓷(なしせいじ)」は、淡青色の釉薬がかかり、素地の鉄分が細かい斑(ふ)となって浮かび、梨の皮の肌を思わせます。

青龍窯で作られるやきものは、雪国らしい静かな風情を感じさせてくれます。




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